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研究業績 [2015/04/15 20:05]
akihiro [平成26年度]
研究業績 [2015/04/15 20:06]
akihiro [平成26年度]
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 ===== 平成26年度 ===== ===== 平成26年度 =====
  
-本研究は金,​ モノ, 人の流れ相互の関係性から複合的リスクを評価,​ レジリエントな社会システムの構築を目標とするが,​ 初年度である今年度は,​ 各「流れ」についてのデータ収集・予備的解析を行った. 金流においては,​ 金融経済と実体経済の両部門の複雑な相互作用に着目し,​ 金融, 実体経済の主体をなす銀行,​ 企業をエージェント化し,​ 両者間の融資関係をネットワーク表現することで,エージェント状態やネットワークの動的変化が系全体に与える影響を明らかにした. ここから得られたデータを可視化・分析することで,​ リスク伝搬プロセスを解明するための枠組みを構築した. 物流に関しては,​ マクロ有効需要成分に関する非確率的要因の同定を行った. 特に, モノのネットワークの固有性の解析において,​ 1995/​2000/​2005各年度の「日本の投入産出表」に基づくランダム行列分析を行い,​ ランダムに分布可能な産業クラスタ(固有モード)と非ランダムに分布しているクラスタを抽出することができた. 人流に関しては,​ 国土交通省航空輸送統計とICAO航空統計からデータの収集,​ 人流モデルについて先行研究の調査を実施した. また, 簡単な空港輸送統計に対する生成モデル構築の予備解析も行った. 具体的には2空港間距離と双空港利用者数間に重力モデルが成り立つと仮定した場合の空港利用者数の従う微分方程式を導出し,​ 平均場近似を用いてその振る舞いを評価した. また, 空港利用者の占有分布を相互作用する壷モデルにより説明した. 特に利用者数密度の増加とともに「凝縮現象」が生じ,​ 少数の有力空港が利用者を独占,​ 残りの空港の利用者数分布はベキ則に従うことが明らかとなり,​ この結果は国内主要空港統計からも指示された. ​ なお, Dirk Helbing 教授 (ETH Zurich)との議論により、上記の個別研究諸課題の統合は、社会経済システムの基礎概念の多次元的理解によって可能になるという新たな知見を新たに得ることができた.+本研究は金,​ モノ, 人の流れ相互の関係性から複合的リスクを評価,​ レジリエントな社会システムの構築を目標とするが,​ 初年度である今年度は,​ 各「流れ」についてのデータ収集・予備的解析を行った. 金流においては,​ 金融経済と実体経済の両部門の複雑な相互作用に着目し,​ 金融, 実体経済の主体をなす銀行,​ 企業をエージェント化し,​ 両者間の融資関係をネットワーク表現することで,エージェント状態やネットワークの動的変化が系全体に与える影響を明らかにした. ここから得られたデータを可視化・分析することで,​ リスク伝搬プロセスを解明するための枠組みを構築した. 物流に関しては,​ マクロ有効需要成分に関する非確率的要因の同定を行った. 特に, モノのネットワークの固有性の解析において,​ 1995/​2000/​2005各年度の「日本の投入産出表」に基づくランダム行列分析を行い,​ ランダムに分布可能な産業クラスタ(固有モード)と非ランダムに分布しているクラスタを抽出することができた. 人流に関しては,​ 国土交通省航空輸送統計とICAO航空統計からデータの収集,​ 人流モデルについて先行研究の調査を実施した. また, 簡単な空港輸送統計に対する生成モデル構築の予備解析も行った. 具体的には2空港間距離と双空港利用者数間に重力モデルが成り立つと仮定した場合の空港利用者数の従う微分方程式を導出し,​ 平均場近似を用いてその振る舞いを評価した. また, 空港利用者の占有分布を相互作用する壷モデルにより説明した. 特に利用者数密度の増加とともに「凝縮現象」が生じ,​ 少数の有力空港が利用者を独占,​ 残りの空港の利用者数分布はベキ則に従うことが明らかとなり,​ この結果は国内主要空港統計からも支持された. ​ なお, Dirk Helbing 教授 (ETH Zurich)との議論により、上記の個別研究諸課題の統合は、社会経済システムの基礎概念の多次元的理解によって可能になるという新たな知見を新たに得ることができた.
  
 ====== 現在までの達成度 ====== ====== 現在までの達成度 ======
研究業績.txt · Last modified: 2016/08/27 18:17 by akihiro
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